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壊れて気づく。打楽器教室に積み重なった“努力の歴史”

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音楽工房TOTOとまと
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現在、音楽工房TOTOとまと打楽器教室では、長年頑張ってきた楽器たちが、まるで「そろそろ引退会見を開こうか」と言い出すかのように、次々と不調を訴えてきています。

ここ最近の壊れっぷりは、まるで春先に一斉に家電が寿命を迎える“あるある現象”にも似ていて、「次は何が壊れるのか…」とドキドキしながら教室の扉を開ける毎日になってきました。

まず昨年のこと。30年以上の長いキャリアを持つドラムスローン(ドラム椅子)が、ついに根元からボキッと折れてしまいました。「いや、そこ折れる?」とツッコミを入れたくなるほど、普段は絶対に折れないような部分です。

まさかの根元から・・・

でも思い返してみると、あの椅子には本当に多くの生徒たちが腰かけ、何千回何万回というリズム練習を見守り続けてきたんですよね。時には小学1年生のちょこんとした軽い体重を支え、時には部活帰りの元気な中学生のジャンプ着地にも耐え、そして大人の生徒さんの重厚なビートにも耐え、その背中を押し続けてきた訳です。

「ありがとう、お疲れさま」と言わざるを得ないほどの働きっぷりでした。

しかし問題は、残り1台しかなかった二代目ドラムスローン。今年度に入る頃から、座面の付け根にうっすらとヒビが入り始めました。最初は「気のせいかな…?」程度だったのが、数週間後には明らかに「いや、これはヒビだわ」と認めざるを得ない状態に。

繋がっている所は2cmくらい

椅子のほうも「そろそろ俺にも休暇をくれ」とでも言いたげな雰囲気です。演奏中に突然折れたら生徒さんが落下してしまう危険があるので、もう緊急扱いです。

しかしここで深刻なのが、ドラム椅子の値段

コロナ禍以降、楽器全般の価格がググッと上がり続け、特に椅子やペダルのような金属部品の多いものは値上がりが止まりません。

以前なら15,000円くらいで買えたものが、今では軽く20,000円〜30,000円超え。高級タイプに至っては「え、これ椅子の値段じゃなくて、ちょっとした旅行の宿泊費なのでは?」と思うほど。

お財布担当の自分としては、思わず遠い目になります。

そんな椅子問題で頭を抱えていた今日この頃、また新たに悲報が届きました。
――ドラムペダル、スプリング部分破損。

朝、教室に入った瞬間からなんとなく“嫌な気配”を感じていたのですが、ペダルを踏んでみると、どうにも動きが鈍い。よく見てみると、スプリングの固定部分の金属がすり減り、摩耗してカリカリになっていました。「ひいぃ…」と思わず声が出てしまうほどの状態。

スプリングの受けが折れてしまいました。
折れたというより、金属摩耗により擦り切れた感じ

どうやら長年の猛練習によって金属疲労が進み、限界を迎えたようです。

部品を取り寄せるか?
それとも、家に眠っている「謎の金属部品コレクション」から似たようなパーツを引っ張り出してきて改造するか…?
自分で言うのもなんですが、うちの家には“打楽器のジャンク品博物館”みたいな引き出しがありまして、その中には「なぜ残してあるのかわからないけど、何となく捨てられない」部品がたくさん眠っています。
ここをガサゴソ漁って、合いそうなパーツを移植すれば、もしかしたら延命できるかもしれない。
そんなDIY精神がむくむくと湧いてきて、「よし、やってみるか…!」とスパナを握りしめたくなるのです。

でも、ふと手を止めて考えるんですよね。
ここまで壊れたということは、それだけ生徒のみんなが本気で練習してきたということ。

ドラムスローンが折れるほど座り続けた。
ペダルの金属がすり減るほど踏み続けた。
何年、何十年も、たくさんのリズムがこの楽器たちから生まれていったんだなあと。

そう思うと、壊れた楽器を前にしても、なんだかじんわり嬉しくなるんです。
楽器はただの道具ではなくて、みんなの努力や成長を見守ってきた証。
その寿命が尽きるというのは、ある意味で「役目を全うした」ということでもあります。

……まあ、
それとこれとは別で、
お財布は確実にダメージを受けるんですけどね(笑)

でも、教室のみんなが成長している証なんだと思えば、
壊れた楽器たちもどこか誇らしげに見えるから不思議です。

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