朝ドラ【虎に翼】でお父さんが汚職事件の重要参考人で、
拘留されてしまい、
自宅には家宅捜索で刑事たちがドカドカと踏み込んできました。
その時の優三さんの凛々しい姿に感動してしまいました。
この汚職事件「共亜事件」にはモデルとなった事件がありました。
内閣総辞職にまで及んだ【帝人事件】です。
この【帝人事件】について調べてみました。
昭和の政治スキャンダル【帝人事件】
【帝人事件】とは、
1934年に発生した銀行の頭取や政治家を巻き込んだ、
政治スキャンダルで、
斎藤実内閣の辞任につながりました。
しかし、すべての被告人が無罪となり、
政府の陰謀が囁かれることとなりました。
この事件は、帝国レーヨン株式会社(現在の帝人)の株取引を巡るもので、
銀行幹部や政治家が関与する汚職事件として明らかにされました。
この事件は、1927年の金融恐慌に関連し、
総合商社が関与していたことが特徴です
帝人事件の発端・背景
それでは「共亜事件」にはモデルとなった
【帝人事件】をわかりやすく解説していきます。
1927年の金融恐慌時、総合商社「鈴木商店」が破産し、
台湾銀行が債権の担保として、
子会社である帝国人造絹糸という会社(帝人)の株式を22万株ほど取得。
その後、帝人が業績をあげたため、
財界人で結成されたグループが帝人株を10万〜11万株ほど入手しました。
この大きな取引もあり市場の株価は高騰。
財界グループは大きな利益を得ることになりました。
1934年、時事新報が、
財界人グループの裏には口利きした政治家がいたと、
贈収賄と銀行も加担した株の不正取引があったのではないかと報道し、
政界・経済界のスキャンダルを暴こうとしました。
この背景が、後の帝人事件へと繋がります
帝人事件の影響
この記事を発端に財界グループだけではなく、
帝人社長や台湾銀行頭取ら関係者計16人が逮捕・起訴されました。
(ここに寅子の父が入っています)
起訴された人の中には大蔵省の次官や銀行局長もいたため、
政府批判が高まり、
当時、斎藤実が首相を務めていた斎藤内閣の総辞職に追い込まれました。
帝人株の取引を巡るスキャンダルは、
政治・経済界における汚職スキャンダルとして、
公衆の大きな注目を集めました。
しかし、事件に関与したとされるすべての人物が無罪となり、
政府の陰謀が疑われることとなりました。
強引な取り調べで自白
裁判前に行われる予審過程ではほぼ全員が自白していますが、
結局、起訴された人たちは裁判で全員無罪となります。
物的証拠の側面からも、
犯罪の痕跡は見られず、
裁判では16人全員が罪状を否認し無罪を主張し、
結果、16名全員が無罪となっています。
逮捕者の勾留期間は200日に及びましたが、
その中で検察によるかなり強引な取り調べが行われたと証言する人もおり、
それが自白の強要に繋がっていた可能性があったようだ。
物的証拠は見つからず
裁判では結局、物的証拠が見つからず全員が無罪となります。
正式な取引としての株売買があるだけで、
賄賂だという帝人の株券1300株は事件前の、
1933年6月19日以降、
富国徴兵保険会社の地下金庫の中に入ったままだったなど、
贈収賄事件としての痕跡はどこにも見つかりませんでした。
1935年から始まった裁判は、
翌年の1936年の2.26事件(首相官邸・陸軍省・参謀本部・警視庁・国会など永田町一帯を占拠)の後、
1937年に起訴された全員が無罪となりました。
その後、裁判長は証拠不十分による無罪ではなく、
最初から犯罪の事実関係はなかったと、
記者会見で強調してコメントを残しています。
【共亜事件】虎子の父も一度は認める⁉
寅子の父も予審裁判で一度は罪を認めるかもしれませんが、
最終的には無実が認められそうです。
しかし、こんな逆風の中、
寅子の父の弁護は誰がしてくれるのでしょうか?
追記:やはり予審で自白しかので裁判は不利な状態でした。
穂高先生が弁護をしてくれましたが、
検察側が自白を盾に強引に裁判を進めてきましたが、
寅子の機転をキッカケに裁判は徐々に有利に展開して、
最終的には16人の被告人全員が無罪となりました。
【共亜事件】父・直言 自白の強要を認める
弁護を引き受けてくれた”穂高”先生だが、
父・直言が頑なに「申し訳ない」「わたしがやった」と罪を認めて、
弁護するにも行き詰っていた状態で、
母・はるが付けていた日記と、
父・直言の証言に整合性ないことを【家族裁判】として問い詰め、
やっとのことで自白を強要されたと聞きだしました。
追記:その後、はるの日記は裁判の証拠資料として、
提出されました。
【共亜事件】これから長い裁判がはじまる
予審裁判で罪を認めてしまった父・直言だが、
本裁判では無実を争うことになるでしょう。
裁判官の1人には”桂場等一郎”が座り、
これから始まる長い裁判に関わっていくことになる。
今のままでは寅子たちにとっては厳しいだが、
どのように状況を変えていくのか、
この先が楽しみでたまらない。
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